福岡を拠点に、バレエ、ジャズダンス、フラダンス、フラメンコ、日本舞踊といった多岐にわたるジャンルの発表会や公演の舞台撮影を行っています。同時に、将来を見据えるダンサーの方々から、オーディション提出用の写真撮影をご依頼いただく機会もあります。

「舞台で踊る姿を撮る」ことと、「オーディション用の写真を撮る」こと。
この2つは、カメラマンに求められる技術も、撮影する環境も、全くの別物です。しかし、私の中でこの2つの撮影に向き合う際の「根幹のスタンス」は一切変わりません。

それは、「その写真を買う人、あるいはその写真を使うご本人が、本当に納得し、一番喜んでくれる嘘のない1枚を残す」ということです。

この記事では、カメラマンとして私がそれぞれの現場で何を見つめ、どのような思考でシャッターを切っているのか、その事実をお伝えします。

舞台撮影|撮り直しできない「現場のリアル」に素直に適応する

バレエの発表会や日本舞踊の公演など、舞台の撮影は当然ながら舞台環境をカメラマン側で一切コントロールできません。

舞台撮影において、主催者様から事前にリハーサルの動画などを共有いただける場合は、大まかな動線やフォーメーションの変化を参考として頭に入れます。
しかし、「ここでこういう見栄えの良い写真が撮れる」といった頭の中での決めつけや、過度なイメージは一切しません。

なぜなら、事前にどれほど情報を集めても、実際の舞台で照明を浴びて踊る踊り手の姿を見なければ、その場の「リアルな情景や空気感」は決して見えてこないからです。

バレエであれば重力を感じさせない跳躍感、フラメンコであれば激しいステップを刻む足さばきとスカートが翻る瞬間、日本舞踊であれば扇子の先から指先まで神経が行き届いた静の美しさ。ジャンルによってリズムも身体の使い方も全く異なります。

本番の客席や指定された場所からカメラを構える私がやるべきことは、ファインダー越しに見える現場のリアルな事実に、ただひたすらに素直に反応することです。
踊り手たちが何ヶ月もかけて血の滲むような練習を重ねてきた事実が、その身体の動きにはっきりと現れています。だからこそ、私は小手先のカメラの設定や機材のスペックに頼るのではなく、彼らの「正しいフォーム」や「所作の美しさ」が最も美しく見える瞬間を現場で判断し、シャッターを切ります。

舞台撮影において、過剰に演出じみた写真を撮る必要はありません。踊り手が積み上げてきた努力の瞬間を、そのままきちんとカタチに残すこと。それが、ご本人やご家族にとって最も価値のある、色褪せない記録になるのです。

オーディション提出用写真|スタジオ撮影で一番大切にしていること

一方で、オーディション提出用の写真は、舞台の写真を使うわけではありません。
こちらは、無地の背景紙とストロボを設置した、スタジオ環境で撮影を行います。舞台とは違い、光の強さも、当てる角度も、すべてカメラマン側で設定して撮影します。

オーディション用の写真を撮る際、絶対にやってはいけないことがあります。それは「過度なレタッチで実物と変えてしまうこと」です。
昨今はスマートフォンのアプリ等で簡単に体型を細くしたり、顔を小さくしたりすることができますが、厳しいオーディションにおいてそのような誤魔化しは通用しません。審査員が見たいのは、「作られた綺麗な写真」ではなく、「この踊り手は舞台で安定して技術を発揮できる身体と骨格を備えているか」という客観的な事実だからです。加工で作り上げた写真は、実際のオーディション会場で必ず嘘が見破られ、結果として踊り手本人の信頼を失うことに繋がります。

だからこそ、ごまかしの無い撮影をします。

レオタード姿などで、身体のライン、筋肉の使い方、骨格の軸が正確に審査員に伝わるよう、ストロボの光を緻密に調整し、筋肉の陰影や軸の真っ直ぐさを際立たせます。
そして、指定ポーズの撮影では、ただ言われた通りにシャッターを切るわけではありません。足の上がり具合、肩に不要な力みが入っていないか、首から背中にかけてのラインが美しく伸びているか、指先の角度は正しいか。ダンサーの方とコミュニケーションを取りながら、その人が持つ最も美しく見える状態を確認しながら撮影します。

ポーズをキープする踊り手にとっては、少々体力を使う状態になりますが、ここで妥協することは、ご本人の将来の可能性を狭めることになりかねません。審査員に対して「私はこれだけの基礎と再現性を持っています」と胸を張って提出できる、揺るぎない説得力を持った事実の記録を一緒に作り上げます。

「手法」ではなく「相手をどれだけ想えるか」

舞台での撮影であっても、スタジオでの撮影であっても、結局のところ、手法が違うだけで根底にあるものは同じです。

どれだけ高価な最新機材を使い、セオリー通りの撮り方をしたとしても、写真の仕上がりに明確な差が出るのはなぜか。
それは、「その踊りの良さや、その人の良さをどう見せれば、お客様が一番喜んでくれるか、あるいはオーディションで正当に評価されるか」を、どれだけ真剣に考え、相手に寄り添っているかの差にほかなりません。

私に写真を依頼してくださる方は、単にデータという画像ファイルが欲しいわけではないはずです。何ヶ月も練習した証、これまでの人生で培ってきた技術の証明、そしてこれからの未来を切り開くための武器。そうした「人生の一部」を私に託してくださっているのだと、私は思っています。

だからこそ、私は一切の手抜きをしません。
本気で挑戦する人の姿を、最も誠実な形で残したいと心底思っています。

もし、あなたが大切な発表会や公演の記録を残したいと考えているなら。
あるいは、自分の未来を賭けたオーディション用の1枚を撮りたいと考えているなら。

表面的な綺麗な言葉や、安さを売りにした業者ではなく、あなたのこれまでの努力という「事実」に、正面からきちんと向き合うカメラマンを選んでください。
その選択肢の一つとして、私に声をかけてもらえたら幸いです。


▼ 撮影に関するご相談・お問い合わせはこちら▼
ご相談やスケジュールのお問い合わせは、公式サイトのお問い合わせフォームより承っております。まずはお気軽にご連絡ください。

👉 お問い合わせ・撮影のご相談窓口